占有権者の役割
占有権者にも一定の役割があれば
財産権の処分を認めるというのが
一般的な方向性であると考えて良いと思います
オプションの仕組みはその典型的なものですが
オプションを行使するものは所有権から無権利者の間を渡り歩きます
(1)
貿易決済で荷物の到着が遅れたような場合
貿易決済の権利はなくなります
しかしそれでは貨物の流動性が損なわれるので
オプション譲渡しこの方法で貨物これが引き渡される場合
占有権者が財産を処分したような形になります
(2)
オプションによって財産の処分を任せられるものは多くは表見代理権を持っているのが普通です
証券市場は銀行のような貯蓄関数ではなく
投資関数の立場に立っていますので
所有権者の所有形態が明確でないような場合
投資関数をシフトさせるために
占有権の効力を広く解釈するべきでしょう
こういう場合多くは書類が担保の役割を果たしますが
所有権者との関係が明確な書類であれば
担保価値を認めるべきでしょう
(3)
占有権者は所有権から分離して
財産の流動性を守るために
役割が果たされるような場合
所有権に比べれば権利としてのランクは落ちる形になりますが
担保価値の枠組みの中で処分していい財産の範囲を拡張するべきでしょう
参考までに次の方程式を並べておきます
O*T+S=B
交渉履歴を示すもので
オプションを利用するものについては
交渉のために占有権が一時的に発生することがあると考えられます
O*T+S=S
これは投資履歴を示すものですが
多くの場合所有権を前提条件にしています
O*T+O=O
譲渡履歴これを示すものですが
多くの場合オプションの方式をとっており
占有権が前提条件になっています